ウィルス対策は継続中ですか?

最近また、ウィルスの被害を耳にするようになってきました。以前はよく聞くウィルスといったら、ExcelやWordに感染するマクロウィルスでしたが、最近聞くのはEメールで媒介するタイプのウィルスです。「もらったメールにファイルが添付されていたのでとりあえず実行してみたらウィルスに感染してしまった!」というパターンですね。
ウィルスへの注意喚起はいたるところでされていますが、ここでもう一度考えてみませんか?

落とし穴
「ウィルス対策ソフトを入れてるから、うちは大丈夫!」……そう思った方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。コンピュータウィルスがテレビや新聞でも取り上げられるようになって、以前に比べれば大分、対策ソフトを導入される方も増えたように思います。
でも気をつけなくてはならないのは、導入後の運営です。
皆様、ウィルス対策ソフトをきちんとアップデートしていますか?!
ウィルスは日々新しいものが出ています。当然、それに対応するように対策ソフトも頻繁にアップデートされています。「○○というウィルスが新たに発見され猛威をふるっている」と報じられたときに、一年前に導入してそれきりの対策ソフトに頼っても、まったく意味がないのです。
アップデート■
では、どうやって対策ソフトのアップデートをすればいいのでしょうか。
もちろん、使用している対策ソフトやバージョンによって手順はまちまちですが、最近ではインターネット経由で関連ファイルをダウンロードするというのが主流のようです。対策ソフトの画面からダウンロード用のボタンを押せば、ダウンロード→関連ファイルの組み込みまで自動で行ってくれます。ファイルサイズも1MB以下のものが多いようなので、時間もそんなにかかりません。
インターネット環境がない方は、アップデートされたプログラムを郵送してもらうこともできます。
ただし、これらを無料で行えるのは、大体の場合はソフト購入後1年間だけのようです。2年目以降は有料契約になる場合が多いので、各ソフトのパッケージを確認してみましょう。
なお、ここでご紹介した事例は、パソコン単体に対策ソフトを入れている場合のお話です。社内のパソコンをLANで結んでいて、なおかつサーバーがある場合は、アップデートから各クライアントの管理まで、サーバーが一括管理できるような企業向けの対策ソフトもあります。
役に立つの?■
ウィルス対策ソフトは、一種の保険のようなものかもしれません。ウィルスに感染しないのが一番いいことですね。
対策ソフトのほとんどは、パソコンの電源が入っている間中、裏でずっと監視をしてくれています。Windowsの右下に対策ソフトのアイコンが出ていれば、監視中ということになります。もしウィルスに感染すると、対策ソフトはすぐに反応し、ウィルスの駆除を行います。
ちなみに筆者も何度か、対策ソフトに救われました。検出も駆除も、あっという間に行ってくれます。対策ソフトをきちんと運用していれば怖くないウィルスも、無防備だと本当に大騒ぎになってしまうものです。
感染してしまった!■
では、対策ソフトが導入されていないパソコンや、アップデートを怠っていたパソコンが、運悪く感染してしまった場合はどうすればいいでしょうか。
もし、社内LANに接続されているパソコンならネットワークから切り離し、自分の作ったファイルをサーバーや他のパソコンに送るのはやめましょう。マクロウィルスなどの場合、感染したファイルを他の方が知らずに使うと、それだけで他のパソコンに感染してしまいます。
Eメールを媒介して感染した場合は、それ以降、メールを送信しないようにしましょう。メールにはウィルスが自動的に添付され、相手の方に迷惑をかけてしまうことになります。
インターネットを活用しよう!■
 インターネットが利用できるようなら、対策ソフトを出しているメーカーのホームページにアクセスしてみましょう。役に立つことがあるかもしれません。以下がその一例です。
@ 有名な(?)ウィルスなら、詳細方法や手動駆除方法が解説されていることがあります。そのウィルスだけを駆除できるプログラムを提供していることもあります。(ダウンロードして使います)
A 対策ソフトの試用版などをダウンロードできます。
B インターネットにつないだまま、そのパソコンのウィルスチェックができるメニューもあります。
……以上の方法を駆使して、なんとかウィルスを駆除することができるかもしれません。もちろん、その後は対策ソフトを導入することをお勧めします。
◇主なメーカーのホームページ◇
トレンドマイクロ(ウィルスバスター等)
http://www.trendmicro.co.jp/
シマンテック(アンチウィルス等)
http://www.symantec.com/region/jp/index.html
ネットワークアソシエイツ(ウィルススキャン等)
http://www.nai.com/japan/default.asp
IPA(情報処理振興事業協会/メーカーではありませんが、ウィルスについての情報が豊富な政府関係機関です)
http://www.ipa.go.jp/
流行ウィルスに見る、昨今の傾向
2000年の秋から冬にかけて、「MTX」と呼ばれるウィルスが流行りました。筆者も3〜4件の被害を耳にしたでしょうか。これはEメールを媒介とするウィルスです。以下のように感染していくようです。
@ ウィルスに感染しているパソコンから発信されたEメールを受信する。ウィルスがある場合、メールは2通で一組になっています。1通目は発信者の意思で出された通常のメール、2通目は件名も本文もない添付ファイルのみのメールです。
A 添付ファイルをダブルクリックして実行してしまう。これで感染してしまいます。
B 感染したパソコンからメールを発信するたびに、2通一組のウィルス付メールが送信されてしまいます。(あなたが加害者になってしまうのです!)
Eメールを媒介とするウィルスは、「添付ファイルをダブルクリックして実行したときに感染する」パターンがほとんどです。受信しただけではまず感染しません。「不自然な添付ファイルは不用意に実行しない」これが自衛策の第一歩です。怪しい添付ファイルは、すぐに削除してください。
こんなご時世ですから、添付ファイル付のメールを送るときは「○○というファイルを添付しました」と、一言書き添えた方がいいのかもしれませんね。
このウィルスはデータの破壊などの悪質な活動は行いませんが、上記のように次々とウィルスを蔓延させていきます。また、特定の文字列を含むホームページアドレスにアクセスできなくします。
Eメール系のウィルスは、EXCELなどのマクロウィルスと同様「致命的な破壊活動はしないが、蔓延するスピードが速い」タイプです。最近はこのタイプがかなり多いようです。まるで本当の風邪みたいですね。
ちなみにMTXウィルスに関しては国内でも感染事例が多かったようで、対策ソフトメーカーのホームページでは専用の対策ページが開設されています。(専用の駆除プログラムが提供されていることもあります)
ウィルスはある日突然やってきます。きちんとした対策と心構えをお忘れなく!