リンク式を使ってみよう ●

先月号では、知っていると便利な関数として「VLOOKUP関数」をご紹介しました。
今回は、VLOOKUP関数が参照するデータベースが他のファイルに保存されている場合の式(リンク式)の立て方と、リンク式を使った際の注意点についてご説明します。
(リンク式とは→式の中で他のファイルを参照させる部分がある場合、「リンクしている」「外部参照している」等と言います。ここでは「リンク式」という言葉を使います)


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● VLOOKUP関数を使ったリンク式の実例 ●

「請求書」と「商品一覧」(下図参照)は、それぞれ別々のファイルに存在しています。
「請求書」の商品名と単価は商品コードをキーにして、「商品一覧」からVLOOKUP関数を使って取り出しています。
「商品一覧」のファイル名が「ichiran.xls」、シート名が「Sheet1」だった場合、実際の式は以下のようになります。(VLOOKUP関数そのものの説明は、前月号をご参照ください)

!注意!

●「請求書」と「商品一覧」(ichiran.xls)が、EXCEL上に両方開かれていると、式の表記は上記のようになりますが、「商品一覧」が開かれていない場合は、ファイル名の前にパス(そのファイルがどこのフォルダにあるか)が表示されます。
ichiran.xlsが、「C」ドライブの「YBSNEWS」フォルダに存在する場合は、以下のように表示されます。

=VLOOKUP(B8,'C:\YBSNEWS\[ichiran.xls]Sheet1'!$A$3:$B$15,2,FALSE)

●また、リンク式のあるファイルを開こうとすると、オープン時に必ず「開いているブックには、ほかのファイルへの自動リンクが設定されています。このブックを更新し、他のブックの変更を反映しますか?」というメッセージが表示されますので、基本的には「はい」で答えてください。(更新させたくないときは「いいえ」で答えます)

 

 ● ファイルの保管場所に注意 ●

リンク式を立てた際に気をつけたいのは、ファイルの保管場所や名前の変更です。以下のようなことに注意してください。

  ・ファイルを別のフォルダに移動してしまった。
  ・ファイル名を変更してしまった。
  ・参照しているファイルを削除してしまった。

これらの場合、ファイルオープン時に上記メッセージが出た際に「はい」で答えると、「ファイルが見つかりません」と表示されてしまいます。メッセージには「キャンセル」で応答し、以下の手順でリンク先の変更を行ってください。

[リンク先ファイル 変更手順]

1. [編集→リンクの設定]を選択。
2. リンク先のファイル名が表示されているので、クリックして選択する。
3. 「リンク元の変更」ボタンをクリック。
4. ファイルの選択画面が表示されるので、正しいリンク先ファイルを選択する。
5. 「OK」ボタンをクリック。

 

 ● 式の修正・削除(手動) ●

ファイル単位での不具合は前記の方法で修正できますが、シート名を変更してしまった場合は、リンク式そのものを手動で変更する必要があります。あるいは一度リンク式を削除し、新規で式を立て直すほうがすっきりする場合もあります。
表の構成が複雑で、どこにリンク式が設定されているか分からない場合は、以下の方法で検索することができます。

1. [編集→リンクの設定]にて、リンク先ファイル名を確認する。(ここではファイル名を確認するだけです。画面は「閉じる」ボタンで終了してください)
2. セルA1をアクティブにした状態で、[編集→検索]を選択。
3. [検索する文字列]に 1 で確認したファイル名を入力する。
4. [対象]を「数式」にする。
5. 「次を検索」ボタンを押すと、 3 で入力したファイル名が使われている数式の検索を始めます。見つかるとアクティブセルが移動しますので、式の修正や削除を行ってください。

 

!注意!

リンク式に関するお問い合わせで多いのが「とにかく、リンクを解除したい」というものです。
これに関してはワンタッチで解除する方法は残念ながらありません。リンク式はあくまでも「式」なので、式そのものを削除する以外に方法はないのです。上記検索手順を参考に、リンク式自体を見つけ出し、削除を行ってください。

 

リンク式は便利なのですが、何らかの理由で一度リンクがこじれてしまうと、修正が面倒なようです。特に、他の人が作りこんだシートは、勝手が分からない分、余計に難しいようですね。
今回のご紹介がExcel活用の上での一助になれば幸いです。

 

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