コンピュータ資産を管理する ●

 皆様の会社では、購入したハードウェアやソフトウェア(ライセンス)をどのように管理されていますか? 例えば、下の質問にすぐに答えられるでしょうか。 

・あなたがお使いのパソコンは、保証期間内のものですか?
 保証期間が終わっている場合、保守サービス契約を結ばれていますか? 
・OfficeやPCOMといったソフトウェアを、何ライセンス所有していますか?
 また、それらがどのパソコンに導入されているか把握していますか? 
・パソコンをリースで購入されている場合、リース終了日はいつですか? 

 ……こういったことが一覧や台帳などにきちんとまとめてある場合は、ある程度は管理されていることになります。 
 今、こうしたコンピュータ資産に関する管理が、注目を集め始めています。こういった話題を扱ったセミナーに出席したこともありますが、立ち見が出るほどの盛況で、熱心にメモを取られている方の姿が目立ちました。 
 今回はコンピュータ資産の管理方法を、簡単にご提案したいと思います。

 

 ● 管理の必要性 ●

 コンピュータ資産を管理・把握していくことは、リスク管理やコスト削減にもつながります。

 [リスク管理]
  「Officeのライセンスを5つしか所有していないのに、実際には8台のパソコンに導入して使用していた」……これがソフトウェアの不正使用にあたることは、今更説明するまでもありません。法的問題に発展してしまった場合、「気が付かなかった」「ついうっかり」という言い訳は通用しません。社会的信用を失うことにもなりかねません。 
 ソフトウェアの購入・使用状況を管理することは、こういったリスクを管理することにもなるのです。 

[コスト削減] 
 上記「リスク管理」での例をここでも使ってみましょう。 
 例えば「Officeを20ライセンス所有していたが、実際には15台のパソコンでしか使用していなかった」……これは、もったいない話ですね。 
 また、こんなこともありえます。 
 「全社的にWindowsをバージョンアップするため、Windows2000のライセンスを台数分購入した。その3ヵ月後、使用中のパソコンの半数がリース終了し、買い替えの必要があることが判明した。Windows2000導入済のパソコンを購入するので、その分のライセンスが無駄になってしまった」……これは、リース期間の管理をしておけば、無駄は防げた事例です。 

[その他のメリット] 
 他にも、メリットはあります。リースの期間、保守契約の切り替えのタイミング、社内パソコンの使用環境などが分かれば、「今やるべきこと」が明確になり、計画的・効率的にハードやソフトの購入を検討していくことができます。 
 また、コンピュータ資産(特にソフトウェア)をきちんと管理していることが社内に浸透すれば、一般ユーザーには馴染みの薄いソフトウェアの不正使用等に対する認識を高めることにもつながるでしょう。 
 しかし、こういったことも大事なのですが、実際に管理用の台帳を作っておいて何よりも実感したことは「便利」「分かりやすい」「安心」ということでした……。

 

 ● 管理方法 ●

[管理用のツールはあるのか?] 
 YBSではEXCELで一覧表を作り、そこに必要事項を記入しています。たったそれだけのことですが、コンピュータ資産の使用状況について、随分すっきりと把握できるようになりました。 
 もちろん、Accessを使ってデータベースを作り運用することも可能でしょう。 
 サーバーから各クライアントPCを監視し、ハードウェア情報(CPUやメモリのサイズ等)やWindowsのバージョン、導入されているソフトウェアの名称等を自動的に収集してくれるソフトウェアもあります。 
 どんな方法を採るにせよ、使いやすいもの、馴染みやすいものを使って、こつこつと続けていくことが一番かもしれません。正確に、常に実態を把握していくことがコンピュータ資産管理には大事なのです。 

[管理項目] 
 特に決まりはありませんが、以下のような項目はいかがでしょうか。これらの項目を挙げておくだけでも、大分すっきりするはずです。 

◆ハードウェア関連◆
  ・設置場所(部署名など)
  ・使用者名 
  ・メーカー名 
  ・モデルタイプ 
  ・シリアル番号 
  ・スペック(CPU・メモリ等) 
  ・設置日 
  ・リース状況 (リース契約書番号・リース期限等) 
  ・購入元 
  ・保証・保守状況 
  ・OS(Windows)のバージョン 
  ・導入されているソフトウェア 

◆ソフトウェア関連◆ 
  ・メーカー名 
  ・製品名 
  ・バージョン 
  ・購入ライセンス数 (ライセンスのみを複数購入したのか、パッケージで購入したのか等) 
  ・ライセンスナンバー 
  ・購入日 
  ・購入元 
  ・各種期間・期日 (購入したライセンスに使用期限はありませんが、購入形態によっては「購入後○年間までは自由にバージョンアップする権利があります」「○年ごとに『バージョンアップの権利』だけを購入し直して下さい」といったオプションがつくこともあります。そういった期間・期日を付記しておきます)

 

 もちろん、管理台帳を作っただけで満足していてはいけません。機器の移動があったとき、新規で購入をしたとき等、区切り区切りで台帳に漏れ・誤りがないかどうか、棚卸をする必要があります。 
 また、ライセンス証書やCD-ROM、パソコン購入時に同梱されていたマニュアル等を整理しておくことも忘れてはなりません。必要なときにすぐに出せるようにしておきましょう。 
 コンピュータを使いこなすだけでなく、そのバックグラウンドをきちんと整備しておくこともパワーユーザーへの道かもしれません。

 

 

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